フッ素フリー系撥水剤:ネオシード NR-7000 シリーズ
マウンテンパーカーやスキーウェア、ダウンジャケットやウィンドブレーカーなどには、撥水加工が施されています。
従来より撥水剤に使用されてきたフッ素化合物(PFC:perfluorochemicals)は、それ自体の毒性は指摘されていませんが、スポーツ・アパレルブランドが「有害性が科学的に100%証明されていなくても、疑わしければ使用をやめる」という「予防原則」に基づいた取り組みを進めています。
日華化学では、フッ素系撥水剤と同等の撥水性能を持ったフッ素フリー系撥水剤、加工処方の開発に注力しています。その開発ストーリーをご紹介します。
スポーツ・アパレルブランドによるフッ素フリー化要求
2000年代初頭から、PFOS、PFOAなどのフッ素化合物の安全性が懸念されるようになり、C8からC6やC4と呼ばれるタイプの撥水剤に切り替える動きが世界的に加速しました。
そうした流れの中、adidas、NIKE、pumaなど世界的スポーツブランドや、H&M、GAPなど大手アパレルブランドが「ZDHC(Zero Discharge of Hazardous Chemicals)」という団体を結成し、2020年までに製品及びその製造工程からフッ素化合物(PFC:perfluorochemicals)などの有害化学物質の使用・排出をゼロにすると宣言。また、THE NORTH FACEやBURBERRYなどの大手アパレルブランドもPFCの廃絶を宣言しているほか、日本でもUNIQLOが同様のコミットメントを発表し、2017年末にPFCの使用を廃絶しています。
ヒントは蓮の葉
フッ素フリーでいかにして優れた撥水性を実現するのか?そのヒントは自然界にありました。
自然界において蓮の葉は、高い撥水性を持つことで知られています。
蓮の葉の表面は、一見滑らかに見えますが、よく見ると表面は微細な突起で覆われています。
これらの突起が空気を捉え、葉の表面に”空気の層”を作ります。水はその空気に弾かれ、丸まって水滴となり、葉を濡らすことなくその表面から転がり落ちます。
この原理を生地上で再現できるように検討を繰り返し、
たどり着いた答えが「ネオシード NR-7000シリーズ」なのです。
ネオシード NR-7000シリーズの提供価値
ネオシード NR-7000シリーズは、環境配慮型フッ素フリー系撥水剤として、以下の価値を提供します。
- 洗濯耐久撥水性に優れ、アウトドアウェアなどの高い撥水性が要求される分野に最適です。
- 加工布の引き裂き強度、縫目滑脱性も良好で、薄地軽量素材にもお使い頂けます。
- 加工布にコーティングやラミネートなどを貼り合わせた際の密着性に優れ、剥離強度が良好です。
繊維加工工程のあらゆる薬剤を手がけてきた日華化学だからこそ、ネオシード NR-7000シリーズの最適な加工条件をご提案できます。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。
ネオシードシリーズのハングタグ等、ブランディングに関する情報はこちらからご確認ください。
開発メンバー
日華化学株式会社
界面科学研究所
商品開発研究部
前田 高輔
日華化学株式会社
界面科学研究所
商品開発研究部
細田 正昭
日華化学株式会社
界面科学研究所
商品開発研究部
米元 篤史
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