bluesign®、ZDHCの最新規制動向
繊維加工における化学物質の規制は、ますます厳しさを増しています。
bluesign®、ZDHCにおいてもそれぞれ新RSLが示されました。現時点での最新情報をまとめましたのでご確認ください。
■bluesign®
bluesign®は常にSVHCの動向を注視しており、2通りのRSL(Restricted Substance List; 規制物質リスト)を用意しています。
1. BSBL; bluesign System Blacklist: 文字通り閾値を超えた含有は排除される(最新版 ver.4)
https://www.bluesign.com/downloads/bsbl/2022/bsbl_v40.pdf
2. BSSL; bluesign System Substance List: 処理布に残留する規制化学物質のリストと閾値(最新版 ver.13)
https://www.bluesign.com/downloads/bssl/2022/bssl_v13.0.pdf
通常、毎年7月にそれぞれが更新されますが、今年度、新たに規制対象として挙げられた化学物質は以下の通りです。
(1) MEKO <50ppm (Usage restriction; 使用制限)
(2) PFAS規制強化, 2022年7月以降フッ素系撥水撥油剤は新規登録不可
(3) 低分子環状シリコン(D4-D6) <1000ppm (Usage ban; 使用禁止, ver.3から継続)
(4) Formaldehyde (Limitation; <15ppm 肌接触用途, <300ppm 肌非接触用)
(5) Methanol (Limitation; <200ppm 肌接触用途)
(6) Bisphenol S (Monitoring; <10ppm 全用途)
■ZDHC
2022年11月1日にMRSL ver.3.0 (https://mrsl.roadmaptozero.com/)が発表されました。移行期間は1年で、2023年11月からver.3適合品のみGatewayにUpload可能、2024年6月からはver.3適合品のみ表示される予定です。
ZDHC MRSL ver.2からver.3への主な変更は以下の通りです。
(1) D4-D6がMRSLに加わった(閾値各1000ppm)
(2) PFASの規制成分が大幅に増えた (全PFASが規制対象)
bluesign®と協調してPFAS含有製品を削除していく方針
また、次期MRSL(ver.4)で規制対象となり得る化学物質として、下記候補が挙げられました。
候補リスト(Candidate List):
(1)牛脂アミンEO付加物
(2)BPS
(3)ホルムアルデヒド (ver4で250ppmの閾値設定が予定されている)
(4)メタノール (ver.2から残留)
日華化学では、今後もbluesign®、ZDHCの規制動向を把握し、お客様への情報提供、及び早期対応に努めてまいります。
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