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工程
素材
ナイロン繊維は、1940年頃に工業化された合成繊維で、合成繊維の中で最も歴史のある素材です。ナイロンはポリアミド系繊維で、ナイロン6とナイロン66が主に繊維用途で使用されています。絹に似た光沢を持ち、引っ張り強度や屈曲性、耐摩耗性に優れる特性を持っています。 衣料分野ではパンストやインナー、アウトドアウエアなど、資材用途ではカバン、カーペット、タイヤコードなどに使用されており、テキスタイル分野の主力素材になっています。
組織毎の代表的な加工例と日華化学のソリューションをご紹介します。
ポリエステルと同様にナイロン織物の生機には、製織前の準備工程で縦糸にサイジング剤としてアクリル糊剤やワックスなどの二次夾雑物が付与されています。精練工程では、これらの二次夾雑物を主に連続処理にて除去します。また、ポリウレタン混のニット素材も油剤などの二次夾雑物の除去と湿熱セットを兼ねて連続処理にて精練を行います。織物は連続精練で糊剤を除去した後、リラックスを兼ねてバッチ処理にて精練を行う素材もあります。一般的なニット素材はバッチ処理にて精練されますが、染色と同時に行われることが多いです。
連続、バッチそれぞれ精練剤に求められる性能は異なっており、設備などにも合わせた最適な薬剤と処方選定が最終製品の品位に大きく影響します。
推奨製品
ナイロンを染色する際には、酸性染料や含金染料が使用されます。酸性染料や含金染料は水溶性でイオン結合により染着します。淡色では移染性に優れたレベリングタイプの酸性染料、濃色を求める場合はミーリングタイプや含金染料など、求める染色濃度に合わせて使用する染料が変わります。均一な被染物を得るには均染剤が必要で、染料のタイプに合わせて使用する均染剤のタイプも変わります。レベリングには繊維親和型のアニオン活性剤が主体で、ミーリング・含金染料はカチオン性の非イオン活性剤が使用されます。
染色はバッチ処理にて行われるのが一般的で、生地をループ状に結反し機械内を走行させて染色します。その際に生地の走行性が安定していることが均一な染色にとって重要で、走行性が安定しない場合、バッチ内での色差やスレあたりなどの欠点につながります。この様な欠点が発生する場合は、浴中品質向上剤の使用を推奨します。
染色が終わった被洗物は、水洗後に界面活性剤を主成分としたソーピング剤を用いて、繊維表面の未固着染料や均染剤などを除去します。
酸性染料や含金染料で染色されたナイロン繊維の染色堅牢度を向上させるために、アニオン系の高分子を主成分としたフィックス剤を処理します。一般的にフィックスは中濃色で染色された場合に処理されますが、風合いが硬くなる傾向にあり、染色濃度による風合差を少なくするために淡色でもフィックスを処理するケースがあります。フィックス剤の使用量は染色濃度に合わせて調整します。
最終製品で求められる風合いや機能を付与する工程です。 パッド処理での連続処理が一般的で、仕上げ剤には連続処理での安定性が求められます。 仕上げ加工には、柔軟加工、撥水加工、吸水速乾加工などがあります。
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