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工程
素材
ポリエステル繊維は、1950年頃に工業化された合成繊維で、テレフタル酸とエチレングリコールから製造されるポリエチレンテレフタレートを指します。耐熱性、強度、染色性に優れる特性から、衣料、インテリア、産業資材など、テキスタイル分野で最も使用される繊維素材になっています。
最終商材の用途やデザインから生地の組織が決定されます。加工工程は組織に合わせて設計され、工程毎に様々な薬剤が求められます。 組織毎の代表的な加工例と日華化学のソリューションをご紹介します。
織物の生機には、製織前の準備工程で縦糸にサイジング剤としてアクリル糊剤やワックスなどの二次夾雑物が付与されています。精練工程では、これらの二次夾雑物を主に連続処理にて除去します。また、ポリウレタン混のニット素材も油剤などの二次夾雑物の除去と湿熱セットを兼ねて連続処理にて精練を行います。織物は連続精練で糊剤を除去した後、リラックスを兼ねてバッチ処理にて精練を行う素材もあります。一般的なニット素材はバッチ処理にて精練されますが、染色と同時に行われることが多いです。
連続、バッチそれぞれ精練剤に求められる性能は異なっており、設備などにも合わせた最適な薬剤と加工処方の選定が最終製品の品位に大きく影響します。
推奨製品
ポリエステルを染色する際に使用する分散染料は水に不溶であり、多量の分散剤(タモールや芳香族スルホン化物)により水に分散しますが、染色時の高温条件下(110℃~130℃)においては染料に含まれる分散剤だけでは不十分で、素材・設備に合った分散均染剤を選び添加する必要があります。分散剤均染剤には次の性能が求められます。
染色はバッチ処理にて行われるのが一般的で、生地をループ状に結反し機械内を走行させて染色します。その際に生地の走行性が安定していることが均一な染色にとって重要で、走行性が安定しない場合、バッチ内での色差や、スレあたりなどの欠点につながります。この様な欠点が発生する場合は、浴中品質向上剤の使用を推奨します。
染色が終わった被染物は、水洗後のソーピングにて繊維表面の未固着染料や分散剤などを除去します。一般的には界面活性剤を主成分としたソーピング剤を用いますが、中濃色の場合は還元剤を併用しソーピングを行います。ソーピング剤には未固着の染料や還元分解された分散染料に対する優れた除去性が求められます。
最終製品で求められる風合いや機能を付与する工程です。 パッド処理での連続処理が一般的で、仕上げ剤には連続処理での安定性が求められます。 仕上げ加工には、柔軟加工、撥水加工、帯電防止加工などがありますが、吸水速乾加工は染色同浴での処理が一般的。仕上げ剤によっては、パッド処理後の高温セットにて染色された分散染料の移行昇華を促進し堅牢度を低下させることがあり、薬剤の選定やセット温度には十分注意が必要です。
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